6.3  西東京探偵BLOG

ターゲットの写真と面取り


これは私がこの仕事を始めて間もない頃
深く反省させられた現場での失敗談です。

「もう何年も会っていない1人暮らしの息子が今何をしているかを調べて欲しい」
という親御様からのご依頼でした。

親御様は息子さんの住所はご存知で
何度も訪ねていらっしゃったようですが
応答はあるもののドアを開けてくれる事はなかったようです。


しかし特に実害があるわけでもなく
また近所に迷惑をかけているわけでもない為
どこに相談したら良いか分からずに何年も時が経ってしまったというお話しでした。

調査をするにあたりターゲットとなる息子さんの顔の確認が必要な
親御様に写真を見せて頂きましたが
私の記憶が確かなら
それは10年程前に撮影された写真であったと思います。


依頼当時30代の息子さんでしたが
10年も時が経てば体型も含め相当な変化を遂げている可能性があります。


お預かりした写真を頼りに
そのマンションから出てくる写真に似た人物を撮影してチームで確認し尾行するわけですが
ターゲットを確認できなくては元も子もありません。


その時の私の役割は
車の後部座席からそれらしき人物を全て撮影し記録していく事でした。

暫くするとマンションから30代くらいの男性が1人で出てきました。


私はその男性をビデオカメラで撮影しながらも
お預かりした写真とはあまりにもかけ離れた風貌のその男性を見て
(これは多分違うな)
と思いましたが
一応先輩に映像を確認してもらいました。


その先輩は映像を見るなり

「これだ!」

と言って車から飛び出て
自転車で走り去っていくターゲットを走って追いかけていきました。
私も直ぐに車で追いかけターゲットに追いつき
先輩とも合流し尾行へと移行することができました。

その間わずか数十秒の出来事でしたが
正直相当ヘコミました。

ターゲットに気付けなかったこと

写真とは違うかもしれないと予想していたにも関わらず違うと思い込んでしまったこと

瞬時にターゲットだと認識した先輩と自分の実力差

もしも先輩に確認していなかったらその日1日が無駄になっていたこと

とにかく色々な事を考えると恥ずかしくて仕方がありませんでした

その後調査は解除し
統合失調症の疑いがあった息子さんを病院へと移送し
任務を無事に終えることができました。
目的を果たす事ができた親御様からも感謝のお言葉を頂きました。

しかし
私にとっては反省点しか残らない苦い思い出の現場となった訳です。

ターゲットの情報と
調査の基本である面取りの重要性と難しさを痛感した貴重な経験となりました。


ご依頼者様にはターゲットとなる人物の
極力直近の画像データをご提供頂くようお願いしております。
もしもご依頼者様がターゲットと一緒にお住まいではなく
また行動予定も分からず
さらに画像データも無いという状況になりますと
人物を特定するための事前調査に時間を要する場合もございますので


(もう顔も見たくない)

(データ容量が無駄だから消したい)


と思われたとしても
現在お持ちの写真や動画は消去せずに保管しておかれる事をお勧めします。